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2006年6月30日 (金)

父の帽子 -森 茉莉

父の帽子 Book 父の帽子

著者:森 茉莉
販売元:講談社
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この人の手にかかると、どんなものでも美しい

 最初は読売新聞のおまけでついてた卵料理の本でした。

 「私の美の世界」の文章が抜粋されて書かれていたのですが、妙に私をひきつけました。

 「卵を割ってフライパンで目玉焼きをつくる」だけの事を1ページにわたって、しかも美しく書かれたその文章は心に残り、何年かあとに本屋でタイトルをみたとたんに思い出して手に取りました。

 どの章も、彼女一流の審美眼で書かれた、美しいものたちの話。それは決して高価なものや、めずらしいものではなく、色あせたタオルだったり、「ダイヤ氷」という名称のロックアイスのことだったりします。

 その文章にうっとりしていた私は、彼女が森 鴎外の娘で、一般的には「耽美作家」という位置づけでいるなんて知りませんでした。

 「父の帽子」は、「パッパ」こと鴎外との思い出や、自分の若い頃の話をまとめたものです。

 陸軍省に勤めていた「パッパ」が帰宅して軍服を脱ぎ、和服に着替えると茉莉さんは膝にのり、その、葉巻のにおいに安心する。

 軍服の「パッパ」と、紋付をきた母、ドイツからとりよせた西洋の子供服をきて、上野や浅草、園遊会にいった思い出。

 人力車に乗ってかよう小学校。シスター達が先生で、フランス語を小学校から習う。

 海外からの情報が少ない分、本物が揃っていた。

 森茉莉さんの本を読み込んだおかげで、私の中の「明治」は花霞のように、少しけぶった空気のなかにある。

 

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