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2006年6月22日 (木)

ファースト・プライオリティー -山本 文緒

ファースト・プライオリティー Book ファースト・プライオリティー

著者:山本 文緒
販売元:角川書店
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みせてくる側面が、いつも醜いとはかぎらないけれど

 

 小さい頃、姉は私にとって神様だったので、姉のお下がりはなんでも宝物でした。

 たとえば自転車。

 リサイクルといえば聞こえがいいが、姉が何年か乗った後はペンキがぬられて兄がのり、私が乗るときにはすでに10年もの。錆がういているその自転車を、もらったときにはうれしくて仕方なかった。

 心ない男の子達に、からかわれても、全然痛くもかゆくもなかった。

 あの頃、私の価値観は確固たるものだったのだと思います。

 今、自分の価値観に、そこまで自信がありません。批判されても、平気な顔でいられるほど愛情をそそいでいるものを自分がもっているか、といわれると、ないとしかいえません。

 だから、この本は積極的に苦手です。

 自分が「好きだ」と思っていたものを、斜めから裏からみせられて、本当に好きか大事か念おしされている気分になりました。

 たったそれだけで、ゆらいでしまう価値観なんて、なんぼのもんかと思います。

 それと同時に、それだけの迫力をもった本なんだとも感じます。

 苦手ですが、念押しされても動じない強い気持ちであるかを試すかのように、またおそるおそる読んでしまったりしています。

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コメント

ももんが さん

価値観って、昔は確固たるもんだと思ってましたが、最近のチャーリーはいい加減になって「好きか、嫌いか」が価値観だという風になりました。

何かを見たり聞いたりして反応する自分のコードが価値観で、硬いものではなく柔軟なもの。

ご紹介の短編集は未読ですが、31歳にこだわって31編集められているそうですね。

このこだわりは作者・山本さんの価値観であろうと勝手に推測。カチンと硬い価値観と、アメーバ型の価値観があるとすれば、前者の方の価値観でしょうか?

尤も作家をやるっていうのは、こだわらなくてはできない仕事でしょうね。


投稿: チャーリー | 2006年6月22日 (木) 05時22分

チャーリーさんへ

 なんだか、さりげなくなぐさめられた気がして、うれしいです。
ありがとうございます。

 潔い、という事にいつも憧れを持っているので、優柔不断な私には、この本は、せめられているようでつらいのです。
 
 作者の名誉のために。
 ありとあらゆる「大事なもの」を持っている彼女たちの話は決して不快ではなく、むしろ、おもしろい部類に入ると思います。

投稿: ももんが | 2006年6月23日 (金) 00時09分

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