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2006年7月19日 (水)

デッドエンドの思い出 -よしもと ばなな

デッドエンドの思い出 Book デッドエンドの思い出

著者:よしもと ばなな
販売元:文藝春秋
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うっかりしてると、すぐ泣かされる

 平行世界、俗にいう、パラレルワールドはSF小説にもパタリロにもでてくるので知ってはいましたが。

 SFというより、ちょいとニューエイジちっくというか宗教的というか、ある意味「逃げ」の発想で、ここのところ、強く思うときがありました。

 「ここでの私は、もう手を離しているけど、別の世界で、私はまだ手をつないでいる」
 少女ちっくな事はみとめます。
 でも、そう思うと、なんだか晴れ晴れとするのです。
 決してあったかくはなく、でも寒いわけでなく、5月くらいの涼しい風がふいた時の気分のよさに近い感じ。
 
 上手くことばにはできません。

 でもあえて無理やり言葉にすると、
 「私が望んでいるものは別の世界の私が既に行っていて、こっちの世界でかなえられないからといって自分が決して不幸というわけではない」 でしょうか。

 これでもまだ十分ではなく、今はまだ言葉が熟さないけれど、いつかは上手に表現したいな、と思っていました。

 

 そんな矢先、この「デッドエンドの思い出」を読んで、うちのめされました。
 この本に収録されている「おかあさーん!」のテーマがまさにこれでした。
しかももっと前向きに、もっと、誰もが共感できる形であらわしている。
  
 そのうえ、「ああ、誰もがどこかでたどりつく事なのか」と衝撃をうけた私に追い討ちをかけるように、その次の話、「あったかくなんかない」の冒頭は、その「誰もがたどりつく景色」についての文章でした。
 
 よしもとばななさんの話は、どれも好きですがうちのめされたのは初めてです。
さすが、ばななさん自身が「私にとって大切な本」とあとがきで書かれる事はあると、しみじみ思わざるをえません。

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