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2006年7月 6日 (木)

薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 -江國 香織

薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 Book 薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木

著者:江國 香織
販売元:集英社
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れいこの最後のせりふがせつない


 なんて遠くまできてしまったんだろう、と、ひとごとのようにあらためて驚くことが最近多い。

 今、どこにいるのか、わからないほどに。

 もう戻り方なんてわからない。そもそも戻る場所が残っているのか知らない。

 気がつくと、友達は戻れるうちに戻っていた。そういえば、彼女達はみな、旅行が好きだった。

 旅行は旅行で、生活ではないことを、知っていた。

 旅行がもともと苦手な私だけが、振り返りもせず、

どれだけ遠くまできているか確認もせず、遠くまで歩きすぎて、帰り道を忘れている。

   

 登場人物の一人、陶子は、必ず「遠くにいきすぎないように」気をつけている。

 「自分は旅行好きなタイプじゃないから」と彼女は思っているが、

 必ず帰れるようにしている彼女は、ためらいもせず旅行をするのだろう、何度も。

 陶子がちょっとだけうらやましくて、ちょっとだけ、腹立たしい。

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