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2006年7月 4日 (火)

長い長いさんぽ -須藤 真澄

長い長いさんぽ  ビームコミックス Book 長い長いさんぽ ビームコミックス

著者:須藤 真澄
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何度読んでも、泣かずにはいられない

 小学生の時にもらってきた猫は、私にとって特別だった。

 私が学校から帰ってくるのを近所の石垣の上で待っている猫だった。

 テスト勉強しているときは、居眠りをしながら、私が寝るのを待っていた。

 私のベッドを占領し、私の目の前で何度もお産をした。

 それなのに、「彼女」が死ぬとき、私は傍にいなかった。

 

 病気だったのはわかっていた。 死んじゃうのもわかっていた。

 なのに、ついていてあげなかった。

 ある朝、起きたら、眼をあけたまま、苦痛な顔のまま、固まっていた。

ごめんね、といってももう遅い。

 「長い長いさんぽ」は須藤 真澄さんが、マンガにもした家族「ゆず」が病気になり、死んでしまい、それからの須藤さんを書いた話。

 須藤さんの「ゆず」への愛情はなみなみならない。そしてそれ以上に、自分の「ゆず」への愛情への冷静さはものすごくて、誰も彼女に何もいえないだろう。

 読んで、私は「彼女」を思い出し、またぽろぽろと泣く。

 「彼女」と一緒の幸せな日々を思い出す。

 

 16歳生きた「彼女」は子供を何匹も生んだ。

 実家には「彼女」の孫が、今日もきっと冷蔵庫の上で眠ってる。

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「アニメ・コミック」カテゴリの記事

コメント

 毎日楽しみに上質のエッセイを読ませていただいています。
 僕は風が嫌いな鳥と一緒に暮らしていたことがあるんですけど、彼が死ぬことを薄々感じていたにもかかわらず、何もせず、翌朝彼の冷たい亡骸を手のひらにのせて泣いたことがあります。
ももんがさんとちょっと似てますね。。。

投稿: ONI | 2006年7月 4日 (火) 01時29分

一番悲しいのは、忘れ去ってしまうこと。

ももんがさんの中で今でも思われてる「彼女」はきっと幸せですよ。

投稿: チャーリー | 2006年7月 4日 (火) 02時56分

>ONIさんへ
 コメント、ありがとうございます。
 動物の死は結構、経験している方だと思いますが、それでも、「彼女」を思うと、懐かしいと同時にいつも最後の姿を思い出してちくっと胸が痛みます。
 風が嫌い!な鳥さんの、大事な思い出、教えてくれてありがとです。

>チャーリーさんへ
 いつも励ましコメントをありがとうございます。
 「彼女」が幸せだったかどうかは、本当のところはわからないけれど、私は幸せだった。それは確かです。彼女がどうかそれを知っていましたように、と、願わずにはいられません。

投稿: ももんが | 2006年7月 5日 (水) 02時29分

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