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2006年9月17日 (日)

三つ子の魂

  実家にいたころ、私の休日は主婦のようでした。

 休日は洗濯をして、畑仕事をたまに手伝う。踊りながら洗濯物を干そうが、歌いながら畑仕事をやろうが平気です。田舎の農家の利点は、人の眼を気にしなくてもいい程度の敷地があるというところ。

 洗濯物を干してから仰ぎ見る空は本当に青い。湿気で湯気がたつ土から顔をあげるとみえる山は本当に美しい。

 私は、俗に言う「定年後に夢見る生活」を、先にしてしまっていたようです。

 

 今年になってから転職をしたので、残業が多いといえども、前よりは人間的な生活がおくれます。休日に起きたらもう夕方、なんてことはなくなりました。

 だから休日は、とりあえず洗濯をする。小声で歌いながら。

 収入が減ったのでお弁当を作っていますが、シソだのバジルだのを毎回買うのがどうしても許せなくて、苗を買いました。

 植え替えのために、アパートの庭の土を少し掘り返しました。

 黒い、割と出来のよい土で懐かしい匂いがして、うれしくなりました。

 

 ああ、私はこれで元気になる。

 あこがれている海をみても、映画をみても、友達と話しても、気が晴れないときははれないというのに。 

 悔しいけれど、三つ子の魂はやっぱり百まで。

 

 苦笑しながら、植え替えた苗たちは一年草。

 種がこぼれて、来年からは自然に生え、私が引っ越したとしても、毎年、芽がでるようになるだろう。

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コメント

まるで映画のようなシーンが眼に浮かびました。脚本家に転向されたらいかがですか?マネジメントはチャーリーがします。鞭をふるい執筆させる悪徳お代官様のようなチャーリーでもよろしければ・・・。

投稿: チャーリー | 2006年9月17日 (日) 06時47分

>チャーリーさんへ

 最大限の賛辞です。ありがとうございます。
 向田邦子さんのDVDを観ながらそのエッセイ集を読み返す、なんて一日をすごし、かつ宮沢賢治の詩を読んだ後だったから、この文章は、そのご利益かと思いますw。
 
 脚本家に転向、なんて、しかもチャーリーさんのマネジメントつきなんて!冗談でもそれで一日夢見れそうです。ありがとうです。

投稿: ももんが | 2006年9月17日 (日) 12時16分

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