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2006年10月28日 (土)

ポプラの秋 -湯本 香樹実

ポプラの秋 Book ポプラの秋

著者:湯本 香樹実
販売元:新潮社
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誰にでもできそうでできないこと

 誰もが死ぬ。

 そんな当たり前のことを忘れがちなのは何故だろう。

 誰だって、明日、いや、残り1時間しか残っていない今日のうちに、死なないとは限らない。

 でもそんなこと、思いもしない。

 「自分もいつか死ぬ」という恐怖におびえたのは子供の頃で、今は逆に「だからこそ悔いのないように」という前向きな気持ちになれるというのに。

 いつまでも、どんな友達にも、明日も会えるとあたりまえのように思っている。伝えられる事を伝えずに、言わなくてもいい事をいう。

 そして悔いがのこる。のこって、伝えたくて。

 

 「ポプラの秋」にでてくるおばあさんは、そんな、忘れっぽい人達のためにいる。すばらしく素敵な方法で、リベンジさせてくれる。

 それこそ、泣きたくなる方法で。

  

 これを読んで、私もその方法を試みたくなった。やろうとしてでもやめた。私はポプラ荘に住んではいないし、おばあさんももういない。

 だから時折、一人で墓前に座る。座って、もう、会えない母と話をする。

 少し泣いて、少し元気になって、そしてまた懲りずに、生きている人達と悔いの残るかもしれない生活を繰り返す。

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