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2006年12月 2日 (土)

放浪記 -林 扶美子

放浪記 Book 放浪記

著者:林 芙美子
販売元:新潮社
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ひりひりする

 例えば、重い気分のときにあえて悲しい映画をみて泣いたり、昔にひたるために懐かしい音楽を聴いたりすることは、ちょっと変化球はいってるとはいえ、前向きさ加減を感じられますが。

 落ち込んでるときに「人間失格」を読んじゃったり、失恋したときに中島みゆきを聴いたりするのは、前向きというより自虐的行為かと思います。

 自虐的にとことんどんぞこまでいけば、這い上がるのは早い、と、思いたいところですが、 太宰やら、中島みゆきなどは強烈すぎて、逆にとりこまれてしまいそうにもなったりするので要注意。

  

 などという事を、林扶美子さんの「放浪記」をうっかり久しぶりに手にとって読んで、取り込まれている私が言うな、と思います。

 自伝的小説、というか、私小説であるこの「放浪記」は、彼女の貧乏な生活、淋しい心持をふんだんに、おおっぴらに明かしていて、読んでいて本当に痛いです。

 貧乏はともかく、淋しいという気持ちについては、時折、元気な日の心持が書かれているだけに余計痛々しくて、自分にはねかえってきてつらい。

 これはいけない、と思いつつ、それでも最後まで読んでしまって。

 「嫌われ松子の一生」あたりならば、自分を省みて落ち込むくらいですみますが、「放浪記」は強烈すぎる。

 自分の薄っぺらな前向き加減は、見事なほど叩き潰されて。おかげで意味なく、ちょっとうつ状態に入るほど。 

 せっかくの週末に何をやっているんだと、自分につっこみをいれずにはいられません。

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コメント

ももんがさん

自分の中に悪魔が住んでいると知ってしまった時に、人は小説を書いたり作曲したりするのかもしれません。その悪魔が天使であっても同じこと。自分のカラダのそとに出すことが表現活動です。

悲しい時に悲しい音楽を聴いて感情を代謝させることができるそうです。その時の気分を小説や音楽でリードできれば、生活しやすくなるでしょうね。チャーリーは一昨日本屋で「いじめ」で亡くなった子供たちの遺書をテーマとした本を手にとって結局買うことを止めました。今の自分にこのテーマを深めるとスベキコトのエネルギーを損なうと判断したからです。でも立読みで泣いてしまった。

結局人間は何ものかを選択しながら、生きていくみたいです。

投稿: チャーリー | 2006年12月 2日 (土) 06時16分

>チャーリーさん

 ほんっとにいつも、洞察力の深さに恐れ入ります。白状します。実は三部まであるこの本、あまりにつらくてめずらしく、二部で読むのをやめました。
 とりこまれるより、エネルギーを損なう、という表現のほうが確かにぴったりです。
 私が今、読んではいけない本だ、とつくづく感じます。
 とはいえ、とられてしまったエネルギー、仕方ないので週末かけて復活するしかありませんw。

投稿: ももんが | 2006年12月 2日 (土) 11時51分

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