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2007年1月25日 (木)

月の扉 -石持 浅海

月の扉 Book 月の扉

著者:石持 浅海
販売元:光文社
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誰も悪くないと、いってあげたいけど

 良き指導者を、心のどこかで願っているときがありました。

 指導者、という言い方は正しくないかもしれません。指図されたいわけではなく、ただ、うなずいて、大丈夫。そういってほしい。

 それを言ってくれるその人は、誰より自分が信じられる相手でないと。

 そして自分に弱音はいわない人でないと。

 四六時中、安心して頼っていい相手。そんな人がほしい、と、自分勝手にも思っていました。

 よくも宗教にはまらなかったと思います。

 

 「月の扉」には、カリスマ性をもった人物がでてきます。彼自身はどうというわけではありません。

 ただ、そのカリスマ性ゆえに、人を混乱させる。

 信頼しきっている人は、彼名義で堂々と、悪意を持つ強さを手に入れる。

 依存する人達は、彼のためのようで、実は自分たちのために事件を起こす。

 恐れる人達は、その恐れ故に彼の行動を監視する。

 これは全ての人達が自分の望む幸せを彼に求めた結果、起こってしまった、やるせない事件。

 自分が幸せになりたい、と、なりふりかまわず思っているという点で皆同じ、弱い人達のお話。

 

 幸か不幸か宗教にもはまらないまま今にいたってます。もうそんな指導者はいらないし、むしろ出会いたくありません。

 この「月の扉」を読んで、その気持ちは強くなりました。

 自分は虎の威をかる狐に簡単になる。それを知っている。

 私もまた、彼にむらがる一人に簡単になるでしょうから。

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