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2007年2月27日 (火)

あんず林のどろぼう -立原えりか

あんず林のどろぼう Book あんず林のどろぼう

著者:安田 隆浩,立原 えりか
販売元:岩崎書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

この泥棒は幸せだ

 小さい頃、向かいの家の入り口に、大きな大きな杏の木がありました。

 7月、道に山ほど落ちてくる杏を拾って、小さな蟻をよけながら食べるのは毎年の当たり前の行事でした。

 花よりだんごとはよくいったもので、あの頃、杏の花をみた覚えがありません。

 

 大人になってから勤めた場所の近くは、「杏の里」として観光地化されているところでした。

 遠くからみると林檎の花に似ているような、でも近くでみると全然違う。淡い色がついた杏の花が一面に咲いている景色は、圧巻でした。

 

 だから、「あんず林のどろぼう」が、あんず林にまぎれこんでうろたえる気持ちはよくわかる。

 桃源郷は桃の花、グリーンゲイブルズは林檎の花にかこまれているけど、それに負けないくらい、あんずの花も強力だと思う。

 それこそ、どろぼうが泣きむせぶほどに。

 どろぼうが、どろぼうでなくなってしまうほどに。

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2007年2月25日 (日)

バランス

 本を読む。映画をみる。何かを作る。

 何かに熱中してしまう時、まわりがみえない。人の気持ちどころか声さえ聞こえない。

 そういえば、昔、姉に言われた。

 「あんたは昔から一人で遊べる人だったよね。」

 一人で遊ぶのが好きなわけではなく、好きなものが一人でできるものだっただけなんだけど、と、思う。

 ただ確かに、何かに熱中しているとき、他に時間をとられるのはいやだった。近くにいる人が邪魔だった。

  

 今、私よりはるかに何かに夢中になる人が、私の話も聞かず上の空になっている姿をみて、少しだけ悲しい。

 同じ気持ちを、今までたくさんの人に私もしていた事を思うと反省したくなる。まるで仕返しされているようだ。

 

 一人でできる趣味には熱中したい。相手にも熱中してほしいと思う。

 でもふと集中がとぎれて顔をあげたとき、同じようにその人も顔をあげて、

 「お茶でも飲もうか?」

 なんていうのがいい。

 同じ場所で、違うことに、同じくらいの情熱で。

 そういう関係がいい。

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2007年2月24日 (土)

ニコニコ日記(BlogPet)

きょうがんももは、生活したよ♪
それでもここに自分行動したいです。
でもきのうがんももが、文藝春秋は中身仕事したよ♪


ニコニコ日記」はキャリアウーマンが、それよりは、恋人でも同じこと。



*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「がんもも」が書きました。

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英語ができない私をせめないで!-小栗 佐多里  

英語ができない私をせめないで!―I want to speak English! Book 英語ができない私をせめないで!―I want to speak English!

著者:小栗 左多里
販売元:大和書房
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努力をしている分、せめるなんてそんな...

 「ダーリンは外国人」の著者、小栗さんのコミックです。

 「ダーリンは...」はマジャール人の旦那さんと小栗さんの生活っぷりを書いた漫画で、なかなか目からうろこでした。

 タイトルで誤解されそうですが、中身は、トニーさん(旦那さん)の超ポジティブシンキング、語学オタクならではの言葉に関する間違いなど、外国人だからという理由ではなくトニーさんのキャラだからこそなんだよ、というエピソードが満載で、そこが好きです。

 他人様と接するのはいつだって違和感を感じるのはあたりまえで、それが多いか少ないかだけ。

 それを楽しめるかどうかなんだと思います。

 

 「英語ができない私をせめないで」。タイトルでうなづいちゃう人は多いと思います。まして外国人と暮らしている小栗さんには切実かも。

 あらゆる英語の学習法をためしてくれている小栗さんのレポートは参考になります。

 それと同時に、世の中にはピンきりの方法で、お値段で、学習法があることも知ってまたびっくり。

 何ヶ国語も遊びのようにさっさと覚えてしまうトニーさんをにらみつつ、がんばる小栗さんがほほえましくてかわいい。

 

 英語を話せるようになりたいと、切実に思う人が買う本ではありません。

 でも私のように、ぼんやり思う人には楽しく読めると思います。

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2007年2月23日 (金)

ためらいもイエス -山崎 マキコ

ためらいもイエス Book ためらいもイエス

著者:山崎 マキコ
販売元:文藝春秋
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きもちがわかってつらい

 山崎マキコさんの小説の主人公は誰も彼もが生きるのに不器用で、私には痛い。

 不器用さにもいろいろあるとは思うけど、不器用になる理由。その根っこにあるものが私と同じだからだ。

 

 「ためらいもイエス」は一見、キャリアなOLさん。でも中身はバリバリの不器用さん。

 仕事はなんでもそつなくこなす彼女が、おそるおそるふみだすプライベートな生活。

 ためらう気持ちをふりほどくようになんでもイエス。

 失敗も馬鹿な行動もなんでもイエス。

 そう教えてくれる相手に出会えた彼女はラッキーで。それでもやっぱり不器用で。

 そしてそれでも、イエスと言い続けるのだろう。

 どの感情もどの行動も自分だから。だから大丈夫。

 自分にもそういってあげたくなる。山崎さんの本はいつも自分がいとおしくなる。

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2007年2月20日 (火)

不都合な真実

不都合な真実 Book 不都合な真実

著者:アル・ゴア
販売元:ランダムハウス講談社
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未読です...

不都合な真実 公式サイト

 

 「不都合な真実」はドキュメンタリー映画です。

 一瞬だけ大統領だった人、アル・ゴアの地球温暖化についての講演が主な内容です。

 多分、多くの方がそうであるように、私もまた、アル・ゴアさんの事を詳しくは知らなかった。

 選挙運動の一環として地球温暖化を訴えているくらいに思っていました。

 逆だったんですね。

 

 アル・ゴアさんの実際の心中はわからない。疑ってかかればいくらでもあるでしょう。

 けれど、そんな事関係なしに、この映画の中で示されている、地球温暖化へ進んでいる事実は、とてもわかりやすく、恐ろしい。

 北極の氷がとければ海面があがる。それくらいはよく聞く話。

 でも、

 ホッキョクグマが、実際に氷山をみつけられずに溺死しているという事実。

 ポストカードにつかわれる、ありとあらゆる雪山の景色が、今では実際には存在しないという事。

 温暖化で地球は暑くなるとおもいきや、海流の関係で、あっという間にヨーロッパは氷河期をむかえてしまう可能性があること。

 アル・ゴアは、その事実をユーモアを交えながら伝えます。そしてこれを防ぐ一番の鍵をアメリカが握っているということも。

 いたずらに人を不安がらせる必要はないかもしれない。

 けれど、事実としてうけとめる必要はあると思う。

 それを声を大にして唱えるアル・ゴアさんは素晴らしい。

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2007年2月17日 (土)

名前をつけて保存

 とあるサイトに、

「男は名前をつけて保存するが、女は上書き保存。」

 と、あった。恋愛の、いい例えだと思う。

 でも、自分は女だけど「名前をつけて保存」型だ。

  

 名前をつけて保存型だから、

 次にすすめない。言われても答えられない。

 そう思っていたけど。

 

 「名前をつけて保存」以前に、保存がされていないままだったらしい。

 マルチタスクではないので、保存されなきゃ新規ファイルは開けない。

 新規ファイルが開いて、そんなことをようやく知った。

 

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2007年2月16日 (金)

百鬼解読  -多田 克己

百鬼解読 Book 百鬼解読

著者:多田 克己
販売元:講談社
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挿絵が京極夏彦さん

 小学校の頃、水木しげるさんは、ゲゲゲのきたろうよりも、図書館にあった妖怪辞典なるものの作者として知っていました。

 妙にリアルな妖怪と、反比例するような漫画タッチで書かれている人間の挿絵は、その妖怪にまつわる不思議な話と同じくらい印象的で、知らないうちに妖怪に詳しくなりました。

 高校生くらいの頃、水木しげるさんの妖怪辞典をまたみつけて、嬉々として買いました。

 嬉しくてまわりに自慢したら、普通にひかれました。

 今ならひいた人の気持ちがちょっとわかるけど。でもやっぱり好きなので仕方ない。

 

 この本も、妖怪を紹介している本です。

 けれど水木さんのと違うのは、民俗学?的に説明しているところ。言い伝えと、歴史と、土地固有の習慣を重ねて、この妖怪の出所を推理している。

 京極夏彦さんの「京極堂シリーズ」の、妖怪解説部分をまとめたような本です。

 やっぱり好きです。でもやっぱり人にみせたら「なんのために読むんですか?」といわれました。

 なんのためって言われても...。娯楽のためだよ。

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2007年2月15日 (木)

ニコニコ日記 -小沢 真理

ニコニコ日記 (1) Book ニコニコ日記 (1)

著者:小沢 真理
販売元:集英社
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子供がいる生活

 バレンタインがくると思い出すのは小沢真理さんの「プラチナの朝」という漫画にあった、女の子の話。

 調理実習で作ったチョコレートケーキを、好きな人に渡す素直な女の子。必要ないからと捨てようとする、美人だけど素直じゃない女の子。

 恋愛話だけど、恋愛そのものより友達の女の子に対する気持ちが、いじらしくてかわいらしくて、すごく好きでした。

 

 「ニコニコ日記」はキャリアウーマンが、知り合いの女の子を預かって一緒に暮らす話です。

 親子でないとはっきりわかっている分、葛藤したり、友達のようにせっしたり、でも気にかけたり。

 家族なのに、他人のような気持ちで暮らしている人達も世の中には多いでしょうが、それよりは、よっぽど暖かい。

 血のつながりなんて関係なく、一緒に暮らしていれば、気にかけていればいつか家族になる。

 それは、恋人でも子供でも同じこと。

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2007年2月12日 (月)

タンノイのエジンバラ -長嶋 有

タンノイのエジンバラ Book タンノイのエジンバラ

著者:長嶋 有
販売元:文芸春秋
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タイトルも上手い

 読んだときには全然印象に残っていなかったのに、読んでから何年も何年もたって、とあるフレーズを思い出す本があります。

 読んだことすら忘れていたりするので、一体どんなあらすじの小説のどんな場面にあったのか思い出すのに苦労します。

 ようやく思い出し再読してみると大抵そのフレーズは本編とは全然関係ないことが多くて、そして本編は一度読んだことを忘れたかのような気分で読めることがほとんど。

 不思議なことに何年もたってから、違うフレーズを思い出したりします。

 まるでその小説が、再読を促すように私にメッセージを送っているかのようです。

 

 長島有さんの芥川賞受賞作、「猛スピードで母は」もそうでした。

 そしてきっとこの「タンノイのエジンバラ」もそうでしょう。

 短編のどれもが、とてもささやかな話。けれどちょっとしたエピソードがひっかかる。ある一文が心にピンとくる。

 それはすごくすごく薄めた毒薬のように、知らないうちに私の身体をむしばんで、知らずに中毒をおこさせて。

 きっと私はこの作家さんの本は必ず手に取るでしょう。そんな気がします。

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2007年2月10日 (土)

とか考えてたよ(BlogPet)

ほんとうは、ももんがは
理性的でいようとこころがけながらも、それに耐えられなくてふとどこ的に動いてしまう。
とか考えてたよ。

*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「がんもも」が書きました。

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2007年2月 9日 (金)

どこまでか知らず

 自分と周りで世界はつくられる。その世界が大きく変わるときがある。

 周りだけが全速力で走ってく。変化をとめる間もなくかわるので、私はどうしていいのかわからない。
 そういう時、どこかで他人事だ。

 自分だけが全速力で走るときもある。周りをおいていってしまうようにつっぱしる。
 世界を変えるためなので、どこかで冷静だ。

  

 今週、またもや世界がかわった。

 けど今回は、自分も走り、周りも走ってて、

 それは初めての体験で、

 私のアドレナリンはあがりっぱなしで、

 まだどこまで行くのかすらわからない。

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2007年2月 6日 (火)

エリン・ブロコビッチ

エリン・ブロコビッチ DVD エリン・ブロコビッチ

販売元:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2007/01/24
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ジュリア・ロバーツがほんとにかっこいい

 「幸せのちから」をみてきました。

 実話がもとのこの映画。普通に感動しました。息子と親子の役をやったウィル・スミスの抑えた演技もよかったです。

 最後の最後の面接シーン、みるみるうちに目が赤くなってゆく姿はすばらしい。

 

 ただし。映画そのものの評価としては、同ジャンルの「エリン・ブロコビッチ」に勝敗をあげたい。

 こちらも実話。無学の女性がふとしたはずみで弁護士事務所に入り、アメリカ最大の企業訴訟をおこしてゆく。

 エリートにかこまれながらも、負けずに仕事に打ち込む女性としての姿。

 子供に仕事のことを聞かれて丁寧に答えるその母親としての姿。

 旦那や恋人になじられながらも姿勢はかえない、たくましい恋人としての姿。

 最後の、訴えをおこした人達に結果報告する、その優しい目線。

  

 「幸せのちから」はいい映画だと思う。皆ががんばろうと思う希望をくれる。

 「エリン・ブロコビッチ」は、はっきりと希望はくれない。ただ、事実があるだけ。

 けれど観た後じわじわと、希望を持とうとする意思がわいてくる。

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2007年2月 4日 (日)

馬鹿なこと

  理性的でいようとこころがけながらも、それに耐えられなくてふと衝動的に動いてしまう。

 動いた後におろおろし、後悔しないようにしたい事をやったんだからそれは間違ってないと、自分に言い訳する形で後で悔やむ。

 気持ちはちっともはれない。

 ずっとしばらく、そういう繰り返しをしては落ち込んでた。

   

 今週も、衝動的に色んなことをした。

 でもそれは最初から、なんだかなあと自分につっこみを入れるような事。

 いいとか悪いとかおいといて、ただ、馬鹿じゃん自分と普通に思う。で、思いながらも行動を起こす。そんな自分を苦笑いしながら迎えてた。

 馬鹿なことを馬鹿と知りつつそれでもやる。

 気持ちは不思議とあったかかった。

 

 同じ衝動的な行動なのにこの違いはなんだろう?と思って考えて。

 以前やっていたことは馬鹿なことではなく、強いていえば愚かなことだったんだな、と気づいた。

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2007年2月 3日 (土)

きょうももんがの(BlogPet)

きょうももんがの、大抵は修行するはずだったの。
だからももんがはここへ修行するつもりだった?


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「がんもも」が書きました。

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ルービックキューブ

ルービックキューブ[6面完成攻略書付き]    今世紀最大の傑作パズル Book ルービックキューブ[6面完成攻略書付き] 今世紀最大の傑作パズル

販売元:永岡書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

いまだに無理...

 確か「話を聞かない男地図を読めない女」には、女の人には空間把握能力が少ない、というようなことが書いてありました。

 そういう意味では、完全に私もあてはまります。

 地図はもちろんまわしてみます。普通に歩いててもすぐ迷います。

 1階の会社の入り口と、フロアの自分の席との位置関係がわかりません。

 だからルービックキューブだって、やっと1面。それだって、あわせかたを兄弟に教わったからできるだけです。すごく悔しい。

 

 とある雑貨屋で「世界地図が印刷されているルービックキューブ」をみつけました。しかもフランス語。

 いや、無理だから。

 世界地図とにらめっこしながらルービックキューブ。考えただけで頭がいたい。

 挑戦したい気持ちと、それに費やす時間を考えつつ、結局買いませんでした。

 あれをさくっと6面出来る人。もしいたら、私は本当に尊敬します。

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2007年2月 1日 (木)

骨董あなろ具屋 -山野 りんりん

骨董あなろ具屋 2 (2) Book 骨董あなろ具屋 2 (2)

著者:山野 りんりん
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

ほっとするお茶のような話

 昔ながらの古道具屋さんが、実家の町にはありました。

 平屋作りの店はいかにもな木枠のガラス戸。店の外にはごみとみまごうばかりの、でも今時のカラフルなごみとは全く違う、黒、茶色、こげ茶色のものが山ほどつまれていました。

 たくさんの革靴。厚い板で組まれた踏み台。スチームでもなんでもないアイロン、基本のたんす、そして一着だけぶらさがってる毛織物のジャケット。

 手書きの値段が書かれていたから、売り物なのでしょう。

 お店の前を通るたびに、気になってしまっていました。店内にある、外からはみえない品にも、外からはみえない店の主人にも。

 あのお店、売り上げはあるのか、品物はどこから仕入れているのか。知りたくてたまらないけど、まだまだ私には渋すぎる。
 結局、まだ一度も入ったことはありません。

 

 「骨董あなろ具屋」はそこまで渋くありません。古道具屋とアンティークショップの中間くらいです。

 この漫画はこのお店の商品にまつわる一話完結。
 お店を経営する夫婦はどこから品を仕入れてくるのか、ここで何かを買った人はなにかしら奇妙な体験をする。

 ただそれは、あっと驚くものじゃない。人によっては気づかないくらいの、ささやかな不思議。

 こんなお店、いってみたい。でもそれは多分、実家のあの古道具屋さんの常連になるくらい可能性は低い。のだろうなあ、多分。

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