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2007年3月 3日 (土)

夜啼きの森 -岩井志麻子

夜啼きの森 Book 夜啼きの森

著者:岩井 志麻子
販売元:角川書店
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全員が病んでいるから気づかない

 あまり認めたくないことだけど、やはり田舎に住む人と都会に住む人の、意識は違います。

 田舎に住む人の最大の関心毎は、ご近所さんの動向です。

 畑の手入れをいついつやったというような些細なことから、結婚毎のような大きな話題まで、ありとあらゆる近所の話題をおかずに、夕ご飯を食べるのが、小さい頃から常でした。

 小さな頃は恐ろしいことに、他人を批評するその姿勢をみて、父はそれくらい偉いんだ、というような誤解までしていました。

 ある時期から、そういう世界の狭さを嫌悪するようになりました。大分たつまでそれがいやでいやでたまらなかった。

 今は単に、情報量の差なんだろうな、と思っています。

 近所のゴシップが芸能人のゴシップにかわっているだけで、噂話がすきなのはみな同じ。辛らつに批評するのは田舎だからではなく、ただの性格。

 そして、それをいやでたまらないと思っても、馬鹿にするほど、私も聖人君子なわけではないことを、もう知ってます。

 

 「夜啼きの森」は、閉鎖的な村に住んでいる、様々な人の心のうちを書いてます。彼らは最後に殺される。これは「津山35人殺し」をモチーフにしたサイドストーリー的な小説です。

 実際の殺しのシーンは最後に少しあるだけです。

 けれど、田舎特有のダークサイドな感情があらわになっていて、そしてその感情は私にもあることがひしひしと感じられて。

 それが嫌で今一人暮らしをしている私にとっては、何より恐ろしいホラー小説でした。

 私の大嫌いな思想が、私の中にもあることを、自分で知っている。よそ様と自分を比べては自分の位置を確認する。一生懸命理性で抑えてはいるけれど、瞬間的に感じてしまう。

 それを再確認してため息をつきました。

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