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2007年4月20日 (金)

琥珀枕 -森福 都

琥珀枕 Book 琥珀枕

著者:森福 都
販売元:光文社
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由緒正しい、妖怪譚

 むかしむかしあるところに...とはじまるような、不思議な話がすきなのは、小さい頃、祖父に毎日、寝物語として聞いていたせいだと思います。

 でも正直に言うと、その話の内容をさっぱり覚えてはいません。何一つ。けれど、まるでみてきたかのように語る祖父のイメージだけが残っていて。

 だから、おじいさんが子供に語るというシチュエーションは、それだけで私の郷愁を誘います。

 この「琥珀枕」の先生のように、ほんとうに、「みえているもの」を語っているならなおのこと。

 

 「琥珀枕」は、中国が舞台の妖怪話。村の中で起こるありとあらゆる出来事を、すっぽんが変化した先生とその弟子が、文字どおり、「高みの見物」をしているところからはじまります。

 先生は何が起こっても手出しはしない。無駄に解決もしない。ただ、弟子である男の子に何かが起こることだけをつげるだけ。弟子はそれを聞いて、自分なりに考える。「高みの見物」は弟子である男の子への、授業の一環だから。

 つまり二人はこの本の狂言回しの役どころなのだけれど、その立ち位置がなんともいえず昔話めいていて、とてもいい。

 すっぽんであることを知られながらも、先生として雇われちゃう。妖怪が妖怪として存在を認められている、というところも、とてもいい。

 弟子である男の子は、金田一シリーズの小林少年のような優等生。そのお父さんとお母さんもまた、素敵にいい人。それが全く嫌味でないところも、またとてもいい。

 一話完結のそれぞれにでてくる妖怪は人間味にあふれ、でてくる人間はなぜか少し妖怪じみてる。そのバランス加減も、とてもいい。

 つまりこの本、私のとてもお気に入りになりました。しばらくは、森福 都さんの本を買いあさることになるでしょう。

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