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2007年7月28日 (土)

18 Til I Die - Bryan Adams

18 Til I Die Music 18 Til I Die

アーティスト:Bryan Adams
販売元:Universal
発売日:1996/06/04
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歌詞はクサイほど甘いものばかり

 お昼休み、カフェで私はメールを書いていました。

 相手のため、という言葉は嫌いです。

 けれどそれで少しでも気持ちが楽になるのなら、相手の願いを受け入れよう。

 それは相手のためでなく、私のため。

 元気でいてほしい。それが私の願いだったから。

 メールですませてしまうには少しばかり悲しい決心を、けれど明るい気分で書きました。

 送信して、ぼーっとしていたら、お店のBGMで懐かしい曲が流れました。

 ブライアン・アダムスの「have you ever really loved a woman?」。

 本当に心底、女性を愛したことがあるかい?

 幸せな気持ちになるメロディでそんな事を聞いてくる曲は、私の決心を誉めてくれているようでした。

 悲しいはずなのに、妙に明るい気分にもなりながらその曲を聴いてたら、返信メールがかえってきました。

 「ありがとうございます」

 最後まで、なんて礼儀正しい。

 まだ流れている曲とあいまって、悲しいのか嬉しいのかわからない気持ちのまま、泣き笑いをしてしまう。

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2007年7月26日 (木)

On The Beach -喜多嶋 隆

On The Beach (角川文庫 き 7-29) Book On The Beach (角川文庫 き 7-29)

著者:喜多嶋 隆
販売元:角川書店
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夏のきもちいい風がふく

 思い出というものは、やっかいです。

 ありとあらゆるものに染み込んで、離れることは滅多にありません。

 音楽プレーヤーの、ランダムに曲を流してくれるシャッフル機能をよく使うのですが、これが思い出とタッグを組むと、ますますやっかいです。

 300曲近くある曲のなかから、偶然、思い出がしみついた曲たちが、思い出がもつ時間軸と同じ順で流されたりなんかすると、もう頭の中は、記憶に支配されてしまいます。

 仕事中にBGMとして流すとき、シャッフル機能は危険すぎる、と、つくづく思います。

 

 そんな神様の粋なはからいなのか、皮肉ないたずらなのかわからないような偶然を、読書でも味わってしまいました。この本、「On The Beach」で。

 喜多嶋さんの作品はコバルト文庫を読んでいた頃に好きだったので、本屋でみつけたときに懐かしくて手に取りました。

 あいかわらず、どこまでも爽やかな文体。主人公たちはいつもまっすぐで、前をむいている。タイトルにふさわしい、夏の海岸での物語達。

 本当ならば、読後感は爽やかなものなのでしょう。

 けれど、私にはこの小説を純粋には味わえませんでした。きっと再読しても同じでしょう。

 私の思い出を刺激するキーワードが、偶然というには多すぎるほどこの小説にはあふれてて。

 読みながらも、頭の中でサイドストーリーのように展開する記憶に、気持ちは支配されて。

 少しだけ息がくるしくなる痛みを感じてしまうから。

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私の頭の中の消しゴム

私の頭の中の消しゴム DVD 私の頭の中の消しゴム

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2006/03/10
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べたべたといってしまえば、それまで

 オリジナルは日本のTVドラマのようですが、タイトルはこちらの方が上手かと思います。

 ただし、このタイトルでこの内容であっているかといわれると難しい。

 冷たい言い方をすれば、若年性アルツハイマーという病気があるということを、世の中に伝えた、という点でたしかに貢献はしているけれども、どちらかというと、純愛ドラマのエッセンスとしてその病気をつかった、という印象がしてなりません。

 そういう意味では、オリジナルのドラマのタイトル、「Pure Soul~君が僕を忘れても~」のほうが正しいのかも。

  

 嫌いじゃありません。むしろ十分に泣きました。

 主人公二人が恋に落ちて、結婚するまでのやりとりは丁寧に作られていて、二人の愛情の深さがうかがえる。

 二人がお互いをみるときの顔がとてもいい。おそらく、恋愛をした経験のある人なら一度は相手の顔にそれをみたことがあるだろう、心の底から愛しいものをみる優しい眼をしている。

 病気を主題ととらえると、つっこみどころはきりがない。けれど純愛をテーマにしているのなら、さすがなんでもありの韓国映画、泣かせどころはやまほどあって、何もいうことはありません。

 

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2007年7月22日 (日)

幻想図書館 -寺山 修司

幻想図書館 Book 幻想図書館

著者:寺山 修司
販売元:河出書房新社
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 かいまみえる異世界

  異常といってしまえばそれまでの、怪奇な本ばかりを紹介している、寺山さんの図書館シリーズは大好きです。

 自分では手に入れることもできない洋書の数々。実際、それを愛読している人達がどれだけいるのかわからない奇行本ばかり。

 挿絵とその中身だけが少しのっていて、実物はどんなのだろうと想像するのもまた楽しい。

 

 少しだけ不思議な世界、というのはいつも魅力的です。

 でも、そこには入れない。不思議と思っている人には、入る資格はないのです。

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2007年7月16日 (月)

姫椿 -浅田 次郎

姫椿 Book 姫椿

著者:浅田 次郎
販売元:文藝春秋
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悔しくなるほど、まっすぐにせつない

 自分のことをわかってもらいたい。

 その願いは例えば、お金持ちになりたい、とか、綺麗になりたい、というような願いより、ささやかに感じるのに。

 実のところ、どんな願いよりもかなえるのは難しく、正直、不可能なのだろう。

 頭ではわかっていても。気持ちはまだ諦めがつかないでいる。

 どこかに、自分をまるごとわかってくれる人がいてくれたら、と、願う自分がやはりいる。

 だから、今の一番の願い。

 わかってもらいたい、その病的なまでの望みを抑えられるようになること。ひねくれるわけではなく、その子供じみた願いが無理であることを、悪い意味ではなく、あきらめたい。

 それをあきらめたら、きっと、自分以外の人の気持ちがみえるだろう。

 その時、私は、本当に大人になれるのだ、と思う。

 「姫椿」のなかの、「獬(xie)シエ」を読んで泣いてしまうほどに、まだ不幸がる自分よりも、もっと大人に。

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2007年7月14日 (土)

着床

 妊娠というものは、実はものすごく確率が低いのだ、という話を聞いた。

 受精できる期間がそもそも短い。

 これは知っている。排卵は28日に一度、長くて48時間。

 受精しても着床するまでの約7日~10日。

 これは知らなかった。そしてこの間に、かなりの頻度で死んでしまうことも。

 着床してはじめて妊娠、という言葉になる。

 流産という言葉も、着床後から使う。

 

 妊娠と恋愛は、まったく何て似ているのだろう。

 受精から着床まで。そのあいまいな期間は、確かに恋愛でも存在する。

 そう感じた後、考える。

 今、恋が終わるなら、それは失恋か、それとも別れというべきか。

 妊娠と違って、検査キットも、定期健診もあるわけでなし。

 「おめでとうございます。」といわれるわけでもなし。

 私には着床しているのかどうかが、まずわからないのだから。

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2007年7月12日 (木)

リミット -野沢 尚

リミット Book リミット

著者:野沢 尚
販売元:講談社
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息もつかせぬとはこのことだ

 「おかあさんみたい」、と、よく言われるほどに、私は日本のお母さんの雰囲気があるらしいです。

 おせっかいな性格だからかもしれませんが。

 甥だろうが、友達の子供だろうが、子供は大好きで、そして好かれるほうです。

 でも実際には母になった事はないので、わが子への愛情がどれだけ深いものなのかはわかりません。

 自分の命を顧みずに子供を守ろうという母性本能が、このエゴイストな性格に勝てるかどうか。

 正直、自信はありません。

 「リミット」は、わが子を守るために戦う女性刑事が表の主人公です。

 そして、母性本能のない女が裏の主人公です。

 二人の関係は、見えるところでは戦う相手で、見えないところではほとんど恋愛、しかも三角関係にちかい。

 互いにひかれるものはあるが、けれど、片方には、もっと大事なものがある。

 ネタばれになってしまうかもしれませんが、勝負の結果はあきらかです。

 守るものを持つほうが、いつだって強いに決まっているのです。

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2007年7月10日 (火)

夕凪の街桜の国 こうの 史代

夕凪の街桜の国 Book 夕凪の街桜の国

著者:こうの 史代
販売元:双葉社
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映画化されるんですね...

 ガラスのうさぎ。

 ふたりのイーダ。

 裸足のゲン、そして、ひろしまのピカ。

 戦争のこと、特に原爆のことは、図書館にあった童話、物語で知りました。

 何故だかひきつけられて、体験者の話をまとめた物語を数多く読んだ覚えがあります。

 どんなに悲惨な話でも、それは幼い私にとっては、遠い遠い世界の話だったというのに、どうしてあんなにむさぼるように読んだのか。

 今でもよくわかりません。

 

 祖父も、祖母も亡くなった今、戦争そのものを体験した人は身近にいません。父の話す戦争は、戦争そのものではなく、生き延びるための生活の話です。

 だから、やっぱり遠い。どんなに書物を読んでも、記録映画をみても、当時を題材にした小説を読んでも。

 生きているうちに戦争がない限り、本当に実感することなど出来ません。できない事を申し訳なく思う事すら、申し訳ない。

 ただただ、頭をたれるばかりです。

 ただただ、何故?と思うばかりです。

 

 むこう約70年間は草も木も生えないだろうといわれた街には、今、緑にあふれてるかもしれない。

 でも、この本の主人公たちは、憤るわけでもなく、嘆くわけでもなく、何十年たってもまだ続いている被爆の影響をただ事実としてうけとめなければならない状況にいる。

 どこにでもいる女の子達なのに、何故?と感じずにはいられません。

 こんな事実があるのにまだ核がなくならないのは何故?と思わずにはいられません。

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2007年7月 8日 (日)

アロマテラピー事典

アロマテラピー事典 Book アロマテラピー事典

著者:パトリシア・デービス,高山 林太郎
販売元:フレグランスジャーナル社
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まだまだ難しい

 ビーズアクセサリ手芸キット。ホットケーキミックス。一人暮らし用おでんセット。

 ケチなのでこういうものにはあまり手を出しません。セットではなく、自力で材料を買うのに比べて、単価は高いから。

 その代わり、材料を買った場合は何回か使わないと意味がない。

 それを思うと基本を買うのも躊躇する。その結果、全く手をださない。そんな繰り返しばかりです。

 とりあえずセットを買って試してみて、気に入ったら揃えればいいのでは?、という理想的な考えにいかないのは、どうしてなのか?

 答え。「本当の方法」じゃないと満足できないから。

 困った性格としかいえません。

 

 アロマテラピーは中学生の頃、憧れました。オイルマッサージ、アロマバス、香炉。うっとりと、本をみながら憧れているだけでした。

 精油はとても高価な上、当時はあまり売っていませんでした。今は精油どころか、用途別にブレンドされているものも売ってます。

 やはり、ブレンドしたものは買いません。精油の方をちまちまと買い揃えています。

 単価が高いから、という理由ではありません。

 プロが作ったブレンドが、にせものであるわけもありません。

 では何故買わないか。

 憧れたのはアロマの香りではなく、ブレンドすること。自分好みの香りを混ぜて使う。そのシチュエーションでした。

 ブレンドだけしては自分はあまり使わず、人にあげる日々。

 本末転倒だなあ、と思います。

 

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2007年7月 7日 (土)

奇跡の海

奇跡の海 プレミアム・エディション DVD 奇跡の海 プレミアム・エディション

販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2004/07/23
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エキセントリックではすまされない何か

 一人暮らしが長い人は独り言が多くなるらしいです。

 自分も例外ではありません。それどころかもっとやばい。

 あまり大きな声ではいえませんが、考え事をしているときなどは、独り言どころか、自分と対話をしています。

 一人二役で会話をしている状態になるので、おそらく端からみたら、電波系というか、狂っているように違いない。

 くれぐれも、自分の部屋に盗聴器が仕掛けられてないことを願うばかりです。

 

 だから、この「奇跡の海」の主人公が、神と話している姿を、あまり変には感じませんでした。

 誰だって、自問自答するときはあるもの。ベスの場合は、それを神としただけ。

 自分と重ねてそんな風に思っていましたが、大違いです。

 ベスは変人ではない。ただどこまでも素直だった。

 素直になれなくなった大人たちには、それが奇妙な行動にみえる。ベスをうとみ、精神病扱いをする。

 その周りの大人もわからないではない。けれどもそれが彼女の悲劇で、この映画の悲しいところ。

 ベスはやっぱり神様と話していたのかもしれない。

 たとえそうじゃなくても、最後に神様には会えた事は確かで、しかも村の、男中心で行われている信仰活動よりも、はるかに祝福された出会いだったのだろうと思います。

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2007年7月 6日 (金)

しゃばけ -畠中 恵

しゃばけ Book しゃばけ

著者:畠中 恵
販売元:新潮社
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この素敵な妖怪たち

 本屋に行って、新しい作家さんを発掘するとき。

 平積みなっていたりポップをあてにするときもありますが、基本的には地道に自分で探します。

 背表紙をただ眺める。手に取る。後ろに解説がちょろっと書いてあったりするとそれを参考にする。

 ぱらぱらとめくり、その隙間から感じるもので判断して買う。

 そんな感を頼りにすることがほとんどですが、それでも知らない間に好みはあります。

 私の場合だと出版社。新潮社と講談社の本は当たりが多い、気がする。なんとなくですが、後々作家買いをしていくような本になることが多いです。

 それから受賞作品。特にファンタジーノベル大賞と文藝賞。これに選ばれるものは大抵私の好む作品が多いです。

 

 「しゃばけ」は、シリーズ化して平積みで売られているのを横目で気にしつつ、ずっと買っていませんでした。妖怪はやっているからなあ、そう思って意固地になってました。

 妖怪ものは京極作品をこよなく愛しているため、ただの偏見です。

 でもこの間、ふと手にとってそれがファンタジーノベル優秀賞だと知り、即、購入。

 やっぱり、今回も間違いはありませんでした。

 おもしろい。

 主人公を守る犬神と白択。主人公になついてる、各種妖怪。

 けれど、当の主人公といったら、金持ちのボンボンのうえ、身体がむやみに弱くて、ろくに生活もおくれない。

 ただ、この主人公、自分の甘さ、恵まれた環境をよく理解していて、いばりも、逆に卑屈にもならない。弱音を吐けない環境にためいきをつきながら、ただ芯だけが強くなっていく。

 そんな主人公を見守る妖怪たちが本当にキュートで、まわりの人達もみな、いい人で。

 誰も彼もが人がいい。優しい目をして笑っている。そんな雰囲気をもつ世界は、本当にファンタジーという言葉にふさわしい、上等な世界でした。

 

 

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2007年7月 2日 (月)

滋養抱負

 実家に帰り、久しぶりに畑で仕事をした。

 ゆるやかな斜面に作られている畑にいくと、眼下にひろがる田んぼの緑と、奥にそびえる山の青さにうっとりする。

 蕎麦を植えてる隣の畑は白い花が満開で、その清楚な緑と白の組み合わせに思わず見とれてしまう。

 畑の奥には、枝をひろげたケヤキの一群。葛がからまるその姿は、いつも畏怖の念をいだかせる。

 その普遍な感情は、私の時間をくるわせる。

 例えば今までの人生が、実は5歳の私がぼんやりと、この場所で想像していただけのものだと言われても、一瞬、信じてしまうほど。

 去年の私とも、一昨年の私とも、多分、5歳くらいの私とも。

 ここで感じる感動は、きっと何一つ変わらない。

 

 梅雨で湿気がおおいせいか、一足毎に良い土の香りがたちのぼる。

 春にまいた作物は、すでに芽を出し葉をひろげ、すくすくと健やかに育っていた。

 長年、丹念に作られた畑。

 その栄養分は滋養抱負で、まだ実を結べない私をもきっと健やかにしてくれる。

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