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2007年7月26日 (木)

On The Beach -喜多嶋 隆

On The Beach (角川文庫 き 7-29) Book On The Beach (角川文庫 き 7-29)

著者:喜多嶋 隆
販売元:角川書店
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夏のきもちいい風がふく

 思い出というものは、やっかいです。

 ありとあらゆるものに染み込んで、離れることは滅多にありません。

 音楽プレーヤーの、ランダムに曲を流してくれるシャッフル機能をよく使うのですが、これが思い出とタッグを組むと、ますますやっかいです。

 300曲近くある曲のなかから、偶然、思い出がしみついた曲たちが、思い出がもつ時間軸と同じ順で流されたりなんかすると、もう頭の中は、記憶に支配されてしまいます。

 仕事中にBGMとして流すとき、シャッフル機能は危険すぎる、と、つくづく思います。

 

 そんな神様の粋なはからいなのか、皮肉ないたずらなのかわからないような偶然を、読書でも味わってしまいました。この本、「On The Beach」で。

 喜多嶋さんの作品はコバルト文庫を読んでいた頃に好きだったので、本屋でみつけたときに懐かしくて手に取りました。

 あいかわらず、どこまでも爽やかな文体。主人公たちはいつもまっすぐで、前をむいている。タイトルにふさわしい、夏の海岸での物語達。

 本当ならば、読後感は爽やかなものなのでしょう。

 けれど、私にはこの小説を純粋には味わえませんでした。きっと再読しても同じでしょう。

 私の思い出を刺激するキーワードが、偶然というには多すぎるほどこの小説にはあふれてて。

 読みながらも、頭の中でサイドストーリーのように展開する記憶に、気持ちは支配されて。

 少しだけ息がくるしくなる痛みを感じてしまうから。

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