« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »

2007年12月27日 (木)

間宮兄弟 -江國 香織

間宮兄弟 (小学館文庫 え 4-1)

間宮兄弟 (小学館文庫 え 4-1)

著者:江國 香織

間宮兄弟 (小学館文庫 え 4-1)

この兄弟を支持します

 木登り、ざりがに釣り、とんぼとり。屋台の金魚つり、ヨーヨーすくい、三角くじ。 

 漫画を歩きながら読む。歌いながら歩く。買い食いをする。

 今でもやりたいそのどれもが、今やると変わり者扱い。

 すごく不思議です。

 興味があった事に興味がなくなる。楽しいと思わなくなるタイミングは一体なんなのだろう?

 かつて同じ趣味を持っていた友達が、いつの間にか趣味からとおざかっている。

 「時間がなくて」とみな言うけれど、興味そのものもなくなっているのがはっきりわかる。

 なくなったのは、時間が先か興味が先かわからないけど。

 彼らはいつ、どんなタイミングで遠ざかってしまうのか。

 私にはどうしてそのタイミングがこないのか。

 

 ずっとそう思っていたので、この「間宮兄弟」を読んだとき、彼らの生活をとてもうらやましく思いました。

 それと同時にちょっと怖くなりました。

 変わり者に拍車をかけることを許されちゃった気がして、間宮兄弟にみならって、自分も同じ生活をしてしまいそうになってしまう。

 

| | コメント (2)

2007年12月23日 (日)

フィラデルフィア美術館展

東京都美術館 特設ページ

 東京都美術館で「フィラデルフィア美術館展」。開催していたことに気づくのが遅く、24日までと知ってあわてて行ってきました。

 フィラデルフィア美術館が有名だからなのか、時期的なものなのか、雨だというのにかなりの人が来場していて驚きました。もしかして、「ムンク展」をあきらめた人が流れてきたのか?と思うほど。

  

 展示物は安定した作品の数々。フィラデルフィア美術館の所蔵の中でも、無難なメジャーどころばかりを借りてきました、というようなラインナップ。

 時代は近代もので宗教画は皆無だから、絵の解釈はあまり必要はない。でも、美術館にきた、という満足感を与える程度に、ピカソの後期の作品もあったりして。

 いつもにもまして、「幕の内弁当」度、しかも高級幕の内度が高い展覧会だった気がします。

 気に入った作品。

 ウジューヌ・ブータン「トゥルーヴィルの眺め」。

 雲の魔術師、と言われるらしいが、雲だけじゃなく波だって素晴らしかった。

 クロード・モネ「睡蓮、日本の橋」。

 有名な「睡蓮」とはちょっと違う睡蓮が、日本らしくてまた素敵。

 トーマス・エイキンズ「帆走」。

 半月のような曲線で、帆も、風も、その両方の動きも感じられる、シンプルなのに気に入った作品。

 

 マグリッドやクレーが一点しかなかったのが残念ですが、それでも十分、ゆったりとした気持ちになれる、素直な品ばかりの、いい美術展だったと思います。

 

| | コメント (0)

2007年12月18日 (火)

贅沢な恋人たち -村上 龍 他

贅沢な恋人たち (幻冬舎文庫)

贅沢な恋人たち (幻冬舎文庫)

著者:村上 龍

それぞれの選んだホテルに個性がでてる

 森 瑶子さんの「ホテル・ストーリー」が好きでした。

 各国のホテルでくりひろげられる男女の世界。とてもゴージャスで、けれど、そのホテルの中ならばおきそうな出来事。

 この「贅沢な~」シリーズは森瑶子さんの話が最初にあり、そこから企画があり、作られた、というような話をどこかで聞いた気がします。違うかもしれませんが。

 村上龍、山田詠美、林真理子。大好きな作家さんたちの短編集はそれだけでお得感満載なのに、同じテーマでそれぞれの素材で。

 個人的に好きなのは、森瑶子さんの「東京ステーションホテル」と藤堂志津子さんの「乾いた雨」です。

 どちらも女の人が一人。ラストは全くちがうけれど、どちらも惑い、どちらも決断するところは同じ。

 どちらの主人公を、自分が望んでいるのかはわからない。けれど「東京ステーションホテル」と「ハイアット・リージェンシー」には泊まってみたくなりました。

 贅沢な恋人たちになりたいわけではなく、ただの「ごっこ」遊び。

 贅沢すぎてとてもできませんが。

| | コメント (2)

2007年12月16日 (日)

まだまだ鈍感

 小心者な自分を知っていた。

 会話している相手が、笑っていないだけで、あせってしまう。

 朝、会って、おはようと言った相手が、おはようをかえさない。

 たったそれだけで、私はへこむ。

 理由が私とは限らないのに、へこんでしまう。

 

 いとも簡単にへこむ私のために、一生懸命笑ってくれている人。

 へこんでいる私をみて、自分のせいで機嫌が悪いのかと、へこむ人。

 小心者な自分をかわいがって、そういう人達の気持ちに気づかない。鈍感な自分もいることを、今更に知る。

 

| | コメント (2)

2007年12月 4日 (火)

大きい1年生と小さな2年生 -古田 足日

大きい1年生と小さな2年生 (創作どうわ傑作選 1)

大きい1年生と小さな2年生 (創作どうわ傑作選 1)

著者:古田 足日

大きい1年生と小さな2年生 (創作どうわ傑作選 1)

ホタルブクロの花にあこがれました

 小学校にあがってはじめての家庭訪問だったと思います。

 担任は、おじいちゃん先生、でも決して好々爺タイプではありません。キビキビと話す、むしろ厳しいタイプの先生でした。

 自転車に乗ってやってきた先生は、出迎えた私に無地の、茶色の紙に包まれたものを、「ほら。」とぶっきらぼうに渡しました。

 わけがわからないまま、受け取りました。それは一冊の本、この「大きい1年生と小さな2年生」でした。

 お母さんにはもちろんすぐに報告しました。お母さんが先生にお礼を言っていたかどうかは覚えがありません。

 ただ、お母さんに、「この事は友達にいっちゃいけない」と口止めをされたことを覚えています。

 だから、本のお礼をいえぬままでした。先生は、3年生まで担任をしてくれた後、転任されてゆきました。

 

 いまだに何故、本をくれたのかわかりません。

 ただ、この担任の先生に限らず、小学生の頃、何故か私は年配の先生に受けがよかった。

 転任式で去るときに、全校生徒のみているなかで、私に握手を求めてきたクラブの顧問の先生。

 教わってもいないのに、声をよくかけてきた、隣のクラスの先生。

 贔屓というのともちょっと違う。

 今でもすごく不思議です。

 先生達は、私をみて、私の何を気に入っていてくれていたのだろう。

 あの頃の私に、一体何をみていたのだろう。

 

 この本のなかで主人公が、今まで怖かった道を通れるようになった後、仲がよい友達に、「大抵の道は(いつかの)はじめての道なんだ。」というシーンがあります。

 この本の登場人物のように頑張れと、そういう意味であの先生がくれたとしたら。

 深く感謝します。

 今でもこの言葉は私に根付いてる。

 「大抵の道はいつかのはじめての道。だからきっとそのうち、もっと遠くまでいけるようになるに違いない。」 

| | コメント (1)

2007年12月 1日 (土)

Thinking Out Loud - BONNIE PINK

Thinking Out Loud(初回限定盤)(DVD付)

Thinking Out Loud(初回限定盤)(DVD付)

アーティスト:BONNIE PINK

Thinking Out Loud(初回限定盤)(DVD付)

意外にシビアな歌詞に魅かれる

 音楽は、タイムマシーンだと思っていたけれど、それ以前に条件反射の道具である。

 という事に、最近、気づきました。

  

 何も思い出してはいないのに、なんとなく胸がせつなくなってる、そう思うときは大抵、それ相応の思い出のある曲が耳に流れてる。

 それは思い出のせいじゃなく、

 その思い出を繰り返しリピートして、せつない気分にひたっていたせい。

 パブロフの犬もまっさおなほど、私はこんなに単純にできている。

  

 だから今は、このアルバムの中にある「Perfect Sky」をよく聴いてます。

 このアルバムを手に入れたのはCMで使われていたこの曲が目当てで、ウォークマンにいれた当初、へヴィリピートで聴いていました。

 ほぼ一日中この曲を聴きながら、少しは自分の気持ちも優先しようと、自分のためにも動こうと、とても健やかな気持ちで思ったある週末の一日があって。

 そのおかげで、私は今、この曲を聴くと健やかに、前向きになれる。

 自分を大事にできる。

| | コメント (0)

« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »