« あさきゆめみし -大和 和紀 | トップページ | 鬼譚草紙 - 夢枕 獏,天野 喜孝 »

2008年3月25日 (火)

逢瀬

 昨日は確かに硬いつぼみの色だったはずなのに。

 今日、喫煙所からみえる桜の木は、柔らかな色をまとっていた。

 また春が来る。

 また今年も、満開の桜に囲まれて、その美しさにたちすくむだろう自分を思う。

 その時の、幸福感を思い出してうっとりする。

 

 不思議なものだ。

 かつて桜の木の下にいたときの自分が、幸せな状況だった事なんて、ほとんどないのに。

 むしろ桜をみるたびに思い出すのは、悲しい記憶が多いのに。

 それでも、桜を厭う気持ちにはまったくおきない。むしろ桜の下では、その悲しい記憶が懐かしいものになったりもする。

  

 自然をみるのが好きだ。

 それは常にみせてくれる風景が変わらないからだ、ということを知っている。

 私が嬉しくても悲しくても、どんな気持ちでいようが、山も海も、当たり前だけど変わらない。

 その変わらなさに、安心する自分を知っている。

 

 だからきっと。

 辛いときに傍で支えてくれた人を好きになる。そんな気持ちで桜を思っている。

 嘆いていた自分を、苦しんでいた姿を、優しく受け止めていてくらた桜の木に恋をしているのだ。

 だから桜をみるときは。

 隣に人は必要ない。私と桜がいればそれでいい。

 

 春が来る。

 私は二人っきりの逢瀬を待ち焦がれて、わくわくする。

 

|

« あさきゆめみし -大和 和紀 | トップページ | 鬼譚草紙 - 夢枕 獏,天野 喜孝 »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

ももんがさん

桜との逢瀬は、果たされましたか?

桜には、人の心をわしづかみにする美しさがありますね。

チャーリーもまた、桜の木の下で、佇んでます・・・。

投稿: チャーリー | 2008年3月29日 (土) 19時36分

チャーリーさん
 先週は、毎晩仕事帰りにふらふらと逢瀬を重ねておりました。
 今年こそ朝焼けに映える桜をみようと思いつつ、寝坊ばかりでできないでいます。
 チャーリーさんも、あちこちの桜をみられているようですね。渋谷まわりも桜が多くてうらやましいです。

投稿: ももんが | 2008年4月 1日 (火) 00時06分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« あさきゆめみし -大和 和紀 | トップページ | 鬼譚草紙 - 夢枕 獏,天野 喜孝 »