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2008年4月 1日 (火)

鬼譚草紙 - 夢枕 獏,天野 喜孝

鬼譚草紙

鬼譚草紙

著者:夢枕 獏,天野 喜孝

鬼譚草紙

桜の木の下はいつも甘美で妖しい

 せっかく桜が満開の週末だったというのに、梅もまだ咲かない実家に帰省してました。

 実家には、昔買い揃えた本が何十冊も置きっぱなしです。いい加減に引き取らねばと思いつつ、ふと読み返したくなった本だけを何冊か持ってかえってお茶を濁している状態です。

 この本も、ずっと実家に眠ってました。今回、桜つながりで思い出して持って帰ってきたものです。

 

 恋にうつつをぬかすことが雅だった平安時代が舞台の掌編集。

 人が鬼に代わるほどの想いがあることを、皆、普通に知っていた時代。

 桜の時期にあらわれた鬼は恐ろしく、鬼に魅入られた姫は美しい。

 その二人が桜の木の下でむついでいる姿は、想像するだに妖しく美しい。

 花びら色の姫と桜の木肌のような黒い体の鬼が、桜の木の下でむつぐ姿は、きっとほとんど桜と同化していただろう。

  

 夢枕さんが描き出す平安時代はいつだって、妖しく美しい色気に満ちている。その上、季節は桜まい散る春の話だからなおさらだ。その上、天野さんのイラスト入りなのだから、この本は筋金入りだ。

 桜の下では誰もが狂う。けれどその狂気は、ぞっとするほど美しい。

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