ブラック:ティー ー山本文緒
小学生の頃、近所の酒屋でお菓子を万引きしていました。
していました。つまり、一度や二度ではありません。でも10回には満たない回数だったと思います。
手に入れたお菓子は、100円未満の駄菓子です。小学生にとって、100円以上のお菓子は高価で、恐れ多かった。
万引きは犯罪ですが、もしお金を払っていたとしても、家にもって帰ってばれたら、買い食いの罪です。つまり、そのお菓子は二重の罪をもつものでした。
お小遣いをもらっていなかったといえど、駄菓子を買うくらいのお金はありました。スリルを求めていたわけでもありません。
第一、顔見知りの近所のお店です。もしかしたら、お店の人は知っていたのかもしれません。
この本は、そういう、自分にとって心苦しい罪の数々を思い出させる短編ばかり。
犯罪になるもの、犯罪ではないもの、そのどちらの場合も、主人公の心の奥底で、「悪いこと」と知っている、もしくは思っているが共通点。
誰だって、思い出すとチクリと痛い罪がある。それは棘で、決して針のようではないけれど、でも、決して抜けない。
その棘は皆がもっている。でも、だからといって正当化されはしない、あくまで個人的な痛み。それを抱えて、皆、生きている。
山本さんの本は、いつもそうだ。やりきれないものを直視させる。
小学生の私はある日、決心して、万引きにいっていたお店にいった。
そしてお菓子の並ぶ棚のすみに、500円札をたたんで置いてきた。
罪滅ぼしのつもりのその行為すら、最後まで正直に謝れなかった卑怯な思い出として、今、棘になっている。
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きょうがんももは、すみ罪滅ぼしされた!
投稿: BlogPetのがんもも | 2009年5月26日 (火) 16時21分