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2009年9月30日 (水)

DO YOU DREAMS COME TRUE? -DREAMS COME TRUE

DO YOU DREAMS COME TRUE?初回盤(2CD)

アーティスト:DREAMS COME TRUE

DO YOU DREAMS COME TRUE?初回盤(2CD)

不幸だろうが幸せだろうが朝はくる

 新しいアルバムの内容から、作り手のプライベートな心境をはかるのは、あまりいい事ではないのかもしれません。

 けれど心配せずにはいられない。元気になっただろうか。笑えているだろうか。

 多くの人に前向きなメッセージを与えてくれてきた人だもの。無理して前向きになってやしないだろうか。

 そんな余計な心配をうちくだく、そんなアルバムでした。

 まだまだ哀しみがどこか感じられる。悲しみではなく、哀しみ。切ない気持ちを無理には隠さない。でも全開にはしていない。決してヒロイズムにはなってはいない。

 「MERRY-LIFE-GOES-ROUND 」の歌詞、

 「夢や希望 なくしても人生はララル、まわってくの
  ゲームオーバーに見えても その先 ララル 続いてくの」

 このフレーズが、アルバムの全てをあらわしてる気がしてくる。

 前を向こうとしている、でもまだ少しせつない。

 せつないけれど、でも笑おう。笑って、まだまだ歩いていこう。

 そんな気持ちが見え隠れして。笑いながらなきたくなる。

 曲の最後のフレーズ。

 「はだかになって はだかになって もう一度 生まれよう
  はだしになって はだしになって 明日を越えていこう」

 決心、とか、覚悟、とか、そんな重大な単語ではなく、でも、確かな気持ちでそう思う。

 そんな美和さんの気持ちが伝わってきて。私自身も前をみて、上を見上げて歩きたくなる。

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2009年9月14日 (月)

三月のライオン

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この表情が全てを物語っているようで

 おそらく、三月のライオン、というと、同名のマンガを思い出す人の方が多いと思う。

 けれど、私はこの映画の、このパッケージにもなっているこの写真を思い出す。

 もう15年以上前、雑誌「ぴあ」でこの写真をみたのだった。たしか「ぴあ」関連の賞を受賞された作品なので、紹介されていた。

 そのあらすじを読んだだけで、私はやられてしまった。

 

 「記憶喪失になった兄を迎えにきた妹は、アイスと名乗り、自分は恋人だと兄に伝える。二人は恋人同士として暮らし始めるが...」

 なんて、あらすじだった。

 そしてこの写真。

 脱力感でも、無力感でもない。どうしようもない場所にたどりついてしまった、と、呆然とするようなこの表情。アイスのくわえかた。

 ずっと気になって、でもその時は映画館にはいけなくて。

 結局、観る事ができたのは今年。

 DVDになっているとは思わなかった。ようやく、アイスに会えた。

 

 映画は本当に、「三月はライオンのようにやって来て、羊のように去っていく (3月は荒々しい気候とともに始まり、穏やかな気候で終わる」というイギリスのことわざにふさわしい。

 映画のラストは、二人にとってハッピーエンドなのだと思いたい。

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2009年9月13日 (日)

獣の奏者 -上橋 菜穂子

獣の奏者〈1〉闘蛇編 (講談社文庫)

著者:上橋 菜穂子

獣の奏者〈1〉闘蛇編 (講談社文庫)

どの世界でも、痛みは同じ

 なんて、まっすぐに、世界の矛盾にむきあう小説だろう。怖いくらいだ。

 最初に「守人」シリーズを読んだ時には、それはかすかに感じるくらいでしたが、この「獣の奏者」ははっきりと感じました。

 ファンタジーと呼ばれるものを読んで怖い、と思ったのは、荻原規子さんの「空色勾玉」以来です。あの話を読んだ時に感じた不安感。

 世界には、知らずに目をつむっていた矛盾があることを指摘される。安定した世界だと思っていたのに、実はそうではない、と気づかされる。

 知らずに当たり前だと思って行っていることが、相手にとっては残酷であることに気づかされる。それがたとえ、獣であっても。

 

 「獣の奏者」は、一人の少女の話です。

 「闘蛇」と呼ばれる獣を操る村で育ち、後に「王獣」という、誰をも慣らしたことがない獣を心を通わせてゆく。

 その彼女を利用する者がいる。また、彼女の行為を禁忌とする一族がいる。

 彼女はそのどちらも良しとはせず、自分の信じた道をゆく。

 決して、自分勝手ではなく、自身も矛盾を抱えながら、彼女は決めた道を歩いてゆく。どんなの険しくても。

 

 私が感じた不安の正体は、きっと自分の卑怯さ、臆病さ。

 人から与えられている世界を、疑問に思わず受け止めている、その事実に気づいたからに他ならない。

 つむっていた目を開くのは痛いし、怖い。 開いてみえる景色が素晴らしい事は本当に少ない。

 でも、開かないと、美しい景色もみえないのだ。

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