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2011年5月31日 (火)

恋愛中毒 -山本文緒

恋愛中毒 (角川文庫)
中毒という言葉にふさわしい辛さ

 自分が、うざったい事を知っている。
 
 よく言えば献身的な、悪くいえば押し付けがましい、
 
 そんな風な愛し方を、どうしてもしてしまう。
  
 相手を丸ごと受け止める事を望んでる。
 
 自分より何より相手が大事で、そこに存在してくれればもうそれでいい。
 
  
 だから、人を好きになって、そればっかりで、本当に切ない事ばかりで、発作のように胸がくるしくなってばかりの頃。
 
 苦しくて、あえぐように思ってた。
 
 この気持ちが収まるのはいつなのか、懐かしく思うようになる事が本当にあるのだろうか。
 
 私が望んでいたことはこんな気持ちの状態だっただろうか、人を好きになるってこんなにしんどいことだっただろうか。
 
 そう思った事を覚えてる。ようく、覚えている。

 
 だから「恋愛中毒」の主人公の、犯罪にまでいたるようなその激しさが私には痛い。
 
 悲しくなるような願いは、もっと痛い。
 
 それは、もだえ苦しむような大切な気持ちを、あきらめなくてはならない時に、逃げるように思う願いだから。
 
 主人公は逃げ切れなかった。中毒はいつだって脱しにくい。
 

 

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