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2011年5月31日 (火)

恋愛中毒 -山本文緒

恋愛中毒 (角川文庫)
中毒という言葉にふさわしい辛さ

 自分が、うざったい事を知っている。
 
 よく言えば献身的な、悪くいえば押し付けがましい、
 
 そんな風な愛し方を、どうしてもしてしまう。
  
 相手を丸ごと受け止める事を望んでる。
 
 自分より何より相手が大事で、そこに存在してくれればもうそれでいい。
 
  
 だから、人を好きになって、そればっかりで、本当に切ない事ばかりで、発作のように胸がくるしくなってばかりの頃。
 
 苦しくて、あえぐように思ってた。
 
 この気持ちが収まるのはいつなのか、懐かしく思うようになる事が本当にあるのだろうか。
 
 私が望んでいたことはこんな気持ちの状態だっただろうか、人を好きになるってこんなにしんどいことだっただろうか。
 
 そう思った事を覚えてる。ようく、覚えている。

 
 だから「恋愛中毒」の主人公の、犯罪にまでいたるようなその激しさが私には痛い。
 
 悲しくなるような願いは、もっと痛い。
 
 それは、もだえ苦しむような大切な気持ちを、あきらめなくてはならない時に、逃げるように思う願いだから。
 
 主人公は逃げ切れなかった。中毒はいつだって脱しにくい。
 

 

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2011年5月30日 (月)

月の子 -清水玲子

月の子 (第1巻) (白泉社文庫)
ラストのせつないまでの美しさ
 

 福島の、原発事故がきっかけで、チェルノブイリの原発事故についてをウィキペディアで読みました。

 それで、現在も、根本的な問題が解決していない事を知りました。

 それから、「チェルノブイリ」という単語は「にがよもぎ」という意味であり、これが黙示録に書かれているということが、都市伝説であることも。
 
 

 「月の子」は人魚姫の子孫たちの話です。

 宇宙全体を海とみなし、地球を産卵場所にしている彼らにとって、人間と恋に落ち、そのうえ裏切られる事、本来、結ばれるはずだった人魚同士が結ばれない事は、その産卵場所を汚す事になる。
 
 人魚姫は、その禁忌を犯したために人魚たちは酷い目にあっていた。
 
 それから100年後、人魚姫の子ども達は産卵のためにかえってくる。今度こそ、間違いをおかさないように...。
 

 「月の子」は、結果的には「起こらなかった」チェルノブイリ事故の話です。
 
 けれどラストで、主人公は夢に見る。「起きてしまった」チェルノブイリと、その後の地球を。
 
 頭のどこかで「遠い場所の出来事」と思っていた、あの頃とは違い、今は心の底から思います。
 
 どうぞ、悲しい未来にはならないように。これが最初ではありませんように。

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2011年5月29日 (日)

神々の山嶺 -夢枕 漠

神々の山嶺(上) (集英社文庫)
山を登る事の現実がある

 女の人は男の人より趣味にはまらないということを、聞いたことがあります。
 
 社会的に身だしなみの手入れに時間もお金をまずかかるから、というのが理由でした。

 私は、身だしなみにあまり気を使いません。それでもお金があまりにかかる趣味には、手を出す前にひるみます。  
  
 だからでしょうか。

 いつも、小説、映画にでてくる主人公達が不思議でした。

 彼らが、その大げさな生き方をするための資金は、どうしているのだろう、と。

 いつ、どうやって金を稼いでいるのか、そこをはっきりさせてくれ、と思ってしまう。

 

   
 「神々の山嶺」他、夢枕獏さんの著作には、きちんと、どう金策をしたかが簡単にでも描かれている。
 
 アルバイトでも、借金でも、前借りでも。なんとかしようと、もしくはなんとか出来ずに涙をのむ。
 
 趣味というのは、やろうと思ってやるわけではなく、まるで恋のように、無茶をしてでもひきつけられるからやっているものだという事が、実感できる。
 
  だからこそ、山を登る事の、歯ぎしりするような苦しさ、快感も現実味を帯びる。

 ちなみに私にとって趣味とは「家賃、光熱費を払って生活費を確保した、残りのお金で行うものだ」、というのが大前提ですが、男の人にとっては、必ずしもそうではないことも、この本で知りました。

 知っておいてよかった。

 だって、後年、保険も税金もなぎ倒し、食費以外の全てを趣味に費やす人達と多く出会うことになったから。
 

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2011年5月26日 (木)

サマーウォーズ

サマーウォーズ [DVD]
夏休み恒例の映画としてふさわしい。

 実家を離れていても、お盆の時期には必ず帰ります。

 お盆の時期に旅行や海水浴なんて、考えられない。それは、親孝行とか、義務とか以前に「当たり前」の事。

 それが、今では決して「当たり前」ではないことはわかっていますが。
 

 でも。
 皆でわいわいいいながら、お座敷でお盆用のお飾りを組み立てる。

 薄暗い座敷からみると、眩しいほど明るい庭からの風が、開け放されたサッシから流れてくる。

 夜にはとれたての野菜とお土産が並ぶ食卓を、皆で囲んで宴会。

 その、何度も繰り返されてきた、懐かしい風景からは離れがたい。その風景の一員でいつづけたい。

 そう思ってしまう。もう、身体に染み付いているのだろうとも思う。
 

 「サマーウォーズ」は、そういう田舎の雰囲気をよくあらわしてる。

 親族の、うざったい位の一体感。よそ者を、どこまでもうさんくさく思うところも。

 この映画は決してリアリティがあるものではない。メッセージ性もはっきりはしていない。

 主人公が頭がいいからっていっても、あの計算能力はありえないし、ヒロインのわがままっぷりもどうかと思う。

 けれど、そんな事はどうだっていい。

 あの、暑い夏の日差し、空気。

 それよりも暑い、暑苦しいまでの親族の一体感。

 花火のような華やかな事件と、ビールのような爽やかさ。

 それで十分だ。夏にみる素敵なエンターテイメントだと思う。

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2011年5月25日 (水)

ベストだぜ!! -ウルフルズ

ベストだぜ !! ベストだぜ !!

アーティスト:ウルフルズ
販売元:EMIミュージック・ジャパン
発売日:2001/04/28
Amazon.co.jpで詳細を確認する

地声な歌声が気をゆるませる

 私がウルフルズを知ったのは、「ガッツだぜ」から。 

 私の地元の、ガストには大きなディスプレイがあって、当時プロモーションビデオを流していました。
 誰と待ち合わせするでもなく、なんとなく実家にいたくなくて一人でコーヒーを飲み、本を読んでいた矢先に、あの迫力ある声が。
 ディスプレイをみると、そこにはバカ殿の姿でふざけまくるボーカルが。

 なんだ、このバンドは。と、思ったのを覚えています。
こんなおちゃらけバンドは、こんなんでこれから大丈夫だろうか。やってけるのだろうか。
本気でそう思ってしまった。

 今ならわかる。
 その時の私は、自分自身が好きでなく、いろんな事を本気になることを避けていた。
 その私には、彼らはまぶしすぎて、否定せざるを得なかった。

 一発屋だろうか。そんな失礼な心配をよそに、確固たる地位を確立してゆく姿を、今、もしあの頃の私のままなら、すこし苦々しく思うでしょう。

 よかった。
 今、ウルフルズが大好きでいられる自分で。
 あの頃よりは自分を好きでいられる自分で。
 

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2011年5月21日 (土)

ミスターメン リトルミス -ロジャー・ハーグリーブス

ドジドジくん (MR.MEN and LITTLE MISS (3)) ドジドジくん (MR.MEN and LITTLE MISS (3))

著者:ロジャー・ハーグリーブス
販売元:ポプラ社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

このTシャツが今、家にあります

 小さい頃に、私のなじみのキャラクターといえば、NHK教育やポンキッキに出てくるキャラ。

 ピーナッツやセサミストリートもTVで放映はされてはいたけれど、スヌーピーやクッキーモンスターより、ガチャピンやハローキティの方が、断然、なじみのあるものでした。

 絵本はかろうじて「ミッフィー」があったけど、それだって「うさこちゃん」という翻訳だったから日本の絵本だと思っていました。 

 だから、このキャラ、「ミスターメン リトルミス」シリーズなんて知りませんでした。かろうじてそばかすだらけの女の子に見覚えがあるけれど、それだって「ピーナッツ」のキャラと記憶がまざっているかも。

 2年ほど前、このシリーズのキャラクターを、私の連れが「小さい頃に読んだ絵本」だと嬉しそうにいいました。連れは私と同じ年です。

 びっくりしました。
 本を読まない彼が知ってて私が知らないなんてキャラがあったなんて。
 おこがましいセリフなのはわかってます。でもそれくらい、本、しかもそういうキャラには興味がない人だと思ってたから。

 幼児体験って大事だ。

 このキャラ達、生誕40周年を既にむかえているようです。ずっと知らなくてごめんよ、と思いつつ、本屋で売っていないかを探してるけど、うっていないのだよなあ。 

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2011年5月20日 (金)

テルマエ・ロマエ-ヤマザキマリ

テルマエ・ロマエ III (ビームコミックス) テルマエ・ロマエ III (ビームコミックス)

著者:ヤマザキマリ
販売元:エンターブレイン
発売日:2011/04/23
Amazon.co.jpで詳細を確認する

これを実写化するとは…

  温泉よりも、どちらかというと「スーパー銭湯」がすきな、似非温泉好きです。
 にごり湯、ジャグジー、電気ぶろ、サウナに岩盤浴。効用があるのかないのかわからないワイン風呂や、天井があいてるだけじゃん、とつっこみをいれたくあるような露天風呂だって魅力です。
 とりあえず全種類を入らずにはいられない。いや、入らないでいられる人が不思議でならない。
 アミューズメントパークお風呂版。私にとってはディズニーランドよりも魅力的。
 でも、「テルマエ・ロマエ」を読んでから、普通の銭湯や、もちろん温泉も行きたくなりました。ついでにできるのならば、古代ローマの公衆浴場も。

 主人公は古代ローマの浴場設計者。
 水に落ちるたびに、現代日本の銭湯や温泉に移動してしまう彼は、日本人を「平たい顔族」とよび、その風呂レベルと意識の高さに、おののきます。
 風呂場に描かれた絵画、洋服を入れるかご、温泉をそのまま露天で入る発想、そしてこの世のものとは思えない美味さのフルーツ牛乳、温泉卵。
 彼の驚愕っぷり、そのまじめっぷりったら、ない。まじめすぎて笑える。笑った後に、ふと気付く。 そうか、古代ローマ人にとっては、これは脅威なほどの高度な文明なんだよね、と。

  現在3巻まで発売されてるこの漫画。見事なまでに毎回、風呂ネタです。よく続くなと思います。よく続くな、と思う反面、もっと続いてほしいとも思う。
 それほど、読むたびに「日本のお風呂ってすばらしい」って思えるから。

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2011年5月19日 (木)

豆つぶほどの小さな犬 -佐藤さとる

コロボックル物語(2) 豆つぶほどの小さないぬ (コロボックル物語 (2)) コロボックル物語(2) 豆つぶほどの小さないぬ (コロボックル物語 (2))

著者:佐藤 さとる
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

待ち望んでいた、マメイヌの話

 講談社文庫として復刊しました。本当にうれしい。

 講談社文庫は、文庫本には珍しく、児童向けの物語が昔は多かったのにここ十数年は絶版が多くて、シリーズものでもなぜか、そのうちの何冊かは出版されないという不思議な状態でした。

 この「豆つぶほどの小さないぬ」もそう。
 「コロボックルシリーズ」として買っていたのに、何冊かは出版されないないまま、シリーズそのものが気がついたら絶版。
 それでも、今まで揃えていた本は手放しがたく、ずっと持っていて、ああ、よかった。

 おなじみのコロボックル達が、かつてご先祖たちが飼っていたといわれる、「マメイヌ」が野生化して存在していると知り、その行方を追い求める話。

 彼らの生活は、味方の人間、「せいたかさん」をまねて、昔より少しづつ近代化してるけれど、それは決して嫌な感じがしないもの。 人間のまねというわけでなく、良いところだけを参考にというもの。

 それはこの話が書かれた当時の日本を、ほんのり反映していて、現代とはやっぱり違って、知らないのに、懐かしい。

 

 コロボックルシリーズ。実は「星からおちた小さな人」を絶版前にも買い損ねている。

 どうかこちらも復刊してくれないだろうか。ファンは多いと思うのだが。

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就活

 プライベートごとでばたばたしていたら、ブログ更新も滞って早、2年。

 思えばブログをまともに続けたのも2年ほどなのに。やれやれだ。

 続けている時間は長いと思っているのに、続けなかった時間は早い。記憶にも残りはしない。

 引っ越しして結婚して、今度は勢いで会社を辞めてしまった自分を、つくづく無謀だと思いつつ。

 とりあえず転職活動開始。なんとかなるさ、、と楽観的にポジティブにいってみる。

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