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2011年7月12日 (火)

有頂天家族 -森見登美彦

有頂天家族 (幻冬舎文庫)
弟がかわいったらありゃしない

 実家の近くでは、何度も狸をみたことがある。
 
 大抵の場合、それは夜。ヘッドライトにてらされつつ道路を横切る姿。

 立ち止まってこちらをちらりとみるのは猫と同じだけれども、猫と違ってあせらない。いや、あせっている場合は、はなから立ち止まったりしない。

 立ち止まってこちらを見る場合、 「せっかくだから顔みとこうか」なんて風情を感じてしまうのは、やっぱり狸だからなのだろうか。
 
 
 
 「有頂天家族」は狸と天狗と人間の物語。
 
 真面目な長男、ひきこもりの次男、のほほんの三男に、弱虫な末っ子。
 
 狸鍋になった父親にはとてもかなわないけれど、全員、母親を愛し、家族を愛し、そして傑物だった父親を尊敬しているのには変わらない。
 
 他の狸の一族といさかいしたり、天狗の先生の世話をみたり、カエルに化けて戻れなかったりするけれど、それは全て「阿呆の血のしからしむるところ」だからしょうがない。
 
 
 森見さんが、非京都人が憧れる「ありえない京都」をみせてくれるのは相変わらずだけれども、それに今度は家族愛がプラスされている。しかも狸の。

 それは兎にも角にも、「楽しきことは良きことなり」なのだ。

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