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2011年9月 2日 (金)

天と地の守り人 -上橋菜穂子

天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編 (新潮文庫)
とうとうシリーズ最終話
 
 「よその子供を守るために戦う女性」というテーマは、「エイリアン」しかり、「依頼人」しかり、映画ではよくありますが。

 小説では、ありそうでなかった気がします。しかもファンタジー。
 
 そして、守る理由が決して母性だけではない。それは、映画でも少ないんじゃないのだろうか。

 
 主人公の短槍使いバルサは女用心棒。
 
 皇子チャグムを暗殺者から守る「精霊の守り人」からはじまって、どのシリーズでも、いつでも、確実にか弱き者達を助けるのだけど、彼女の冷静っぷりは本当にかっこいい。
 
 ただただ無茶をするわけでなく、決して情にはおぼれない。冷たくみえるようなその行動は全て、守るべき者を守るとおすためにある。
 
 そんなクールなバルサも、シリーズを読みすすめてゆくうちに、ゆっくりとだけれど柔らかさを持ってゆく。それもまた心地よい。
 
 
 この「守り人」シリーズは、姉に薦められて読みました。
 
 「守り人」としての話が主題であるけれど、けれどそれ以外に各王国との派閥争い、精霊の世界(ナユグ)とのつながりが関わってくる。
 
 しっかりとした世界観があるからこそ、複雑な話でもすんなり読める。「守り人」にのめりこめる。
  
 シリーズ最初の「精霊の守り人」はNHKで原作に忠実なアニメになっているけれど、できたら原作を読んでほしい、と思います。
 
 ファンタジーはまず自分の頭の中に世界を作ってこそ楽しくて、
 
 このシリーズは、世界をつくるのに慣れていない人でも作りやすい、視覚表現豊かなファンタジー初心者向きだと思うから。

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